2016年03月

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Eimac327Aのフィラメント点火実験を行った。5V/20Aのスイッチング電源2個を使い、直列に接続して点火できるか試した。結果はこの通り成功。10.5V/10.7Aのフィラメントはさすがに明るい。5V/6.3AのEimac100THと比較しても、明るさは全く違う。

『光輝く火星人の案山子』である。何かこの姿が愛くるしい感じで、何とか実用になるアンプに仕上げたいという思いが強くなった。

尚、使用した5V/20Aのスイッチング電源はヤフオクで落札した中国製で、1個1200円程度のもの。一応4個まとめて買ったので、ステレオ2本分はこのスイッチング電源で点火できるはずだ。出力管が@¥5000と安価だったから、アンプの制作コストはなるべく低く抑えたい。もしも、フィラメント用のトランス巻線を用意して、整流しリップルを取るとなると、コストと発熱が物凄い事になる。やはり、点火方法はスイッチング電源一択で決まり。

後、残るは、この真空管の発熱対策だ。シャーシにソケットを埋め込むのではなく、逆にシャーシ上にソケットを浮かせて設置し、シャーシの底板にパソコン用の冷却ファンを取り付け、真下から上に向かって風を送り、強制空冷したらどうだろう?と考えている。スイッチング電源や冷却ファンは現代のパソコンの部品であるが、そういうものがあるおかげで、今の時代、使い難い1940年代の送信管を使ったアンプが比較的ローコストで仕上がるような?


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6CA10なら50CA10の6.3V管で大変価値があり高価だと思うがそうではなく、6AC10は12AT7相当のユニットが3個封入された12ピンコンパクトロン管である。3/20に秋葉原に行った時、クラッシックコンポーネンツで1本¥300で売っていたので10本買ってきた。12AT7はポピュラーな真空管だが、安いものでも1本千円以上だろう。その1.5倍の能力(2ユニット封入か3ユニット封入かの違い)のものが¥300。もちろん、この球が使われている市販のオーディオアンプなど皆無で差し替え需要が無いからだが、米国製のしっかりしたNOS球でこの値段である。自作アンプで12AT7使うくらいなら、この球の方が良いように思う。場合によっては、ムラード型のPPアンプならば前段に片chあたりこの球1本だけで済ませることもできるかも知れない。尚、手持ちの真空管には6AV11という12AU7が3ユニット封入されている12ピンコンパクトロン管もある。

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こちらは、Higm五極管が2ユニット封入された12ピンコンパクトロン管。この球を前段に使い、829Bのような双ビーム管を出力管に使えば、片ch2本だけでプッシュプルアンプが組める。QUAD型でも良いし、前段を差動にしても良い。この球も差し替え需要は無い。だから安いのだ。

US(GT)やMT管用のソケットはほとんど安いものは中国製ばかりが、12ピンコンパクトロンのソケットは、米国シンチ製の信頼性の良いやつを¥300で売っているお店もある。12ピンコンパクトロン管は人気が無いけれど、今の時代は反って割安だ。現在制作中の18BTCSPPアンプに採用した13FM7も12ピンコンパクトロン管で、格安で仕入れたものだ。こういう真空管を活かした方が、間違いなくコストパフォーマンスの良いアンプが造れる。

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適当にやったので汚いのだが、CRパーツが整然と取り付けられると、後々の保守もやりやすい。

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進捗状況はというと、電源トランスの一次側配線、及び、ヒーター配線は完了した。一応、ヒーターの点灯と、リレーの動作だけは確認済。

次はアースラインとターミナルボード周りの配線をやる段階です。ゆっくりですが、着実に前進しています。

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市販のソケットが手に入らないEimac327Aだが、何とか工夫してソケットとプレート端子、グリッド端子の制作をやってみた。
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10mm厚のテフロン板に、829Bや6C33CB用のソケットから端子のみを取ってM2.6のネジで止めただけだが、何とか使い物になると思う。

金属製ソケットプレートを使いテフロン板からM3のナット2つ分浮かせている。そうしないと2本のフィラメントピンの間にある排気管のでっぱりが当たってしまうのと、浮かすことでソケットやシャーシに必要以上に熱が来ないようにするためだ。ベーク板でも良さそうな気がするが、ベーク板は150℃以上になると膨らんで来たり割れたりするが、テフロン板は260℃の温度で変形したり溶けたり燃えたりしないから熱に強い上に加工が楽なので採用した。

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829Bや6C33CB用のソケットから端子だけ取る方法は、カシメてある銅色の部分に3mmのドリルを当てて削ってしまえば右側のように端子だけ取る事が出来る。テフロン板に穴を開け、M2.6のボルトとナットで締めて出来上がり。ソケットが無いという問題はこれでクリアできた。

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